ウォータージェット、それを魔法で再現する。さて、何処から話せばいいんでしょうかね。

難しい問題だと思います。水で金属なんかの硬い物質を切断するという事は、かなりの難易度なんですよね。簡単に見えるが、もの凄く難しい。それを魔法でとなると、定義するところが多すぎる。まず言える事は、ウォータージェットと言うのは、切っている訳ではないと言う事から言わないといけないのかなと思っています。見えるだけで切ってはいない。その点を理解しておかないと、まず間違えるのかなと。

 

切るという表現を使っていますが、刃物で切る場合とは全然違うんだと言う事を理解しなくてはならない。ウォータージェットは切る、ではなく、吹き飛ばすなんですよね。高圧で細い口から噴出する水の勢いによって物質を吹き飛ばしているんですよ。それはナイフよりもノコギリに近い。削るという表現でもいいかもしれないですね。刀や剣とは違うものだと言う事を理解しないといけない。

 

そして、極短距離で効果を発揮するものです。当然ながら口から出た瞬間から発散しますので、距離が遠ければ遠いほどに威力が無くなります。幾ら方向性を与えても、すべての水分子の行く先をコントロールできるわけもない。距離が離れればそれだけ削る能力も落ちます。そして、当然ですが離れたら離れただけ能力が落ちる。ウォータージェットとはそういうものです。

 

ウォータージェットで噴出される水の運動エネルギーによって削り取っている訳なんですが、金属を切断するのは可能かと言われると可能になる。運動エネルギーですから、質量×速さの二乗で定義できますね。質量は変えられませんから、速さを変える必要がある。これを光速に近づける程に威力が増すと言う事なんですよ。まあ、そもそもの話、ウォータージェットという時には、水に研磨剤を混ぜる場合もある訳なんですが。

 

そうなんですよね。そもそもウォータージェットには2種類あるんです。純粋な水か、研磨剤入りの水か。もちろんですが、研磨剤の質量は水よりも大きい。より運動エネルギーが大きいんです。それらを水という液体の中に放り込むことによって、噴射孔やそれまでの管内での摩擦を0に等しくすることで速度を得ている訳です。速さが同じであるのであれば、質量が大きい研磨剤の方がよりよく削れる。

 

さて、魔法の事を考えていきましょうか。よく水属性魔法としてウォータージェットを使う訳ですが、そもそもの話、水属性とは何ぞやという事から始めないといけないでしょう。水、H2Oを扱う魔法であると定義したとしましょう。そうした場合、まずもって不可能なことは、研磨剤を混ぜる事。これは恐らくですが、土属性魔法に当たるのではないかと考える訳です。

 

土属性とは何ぞや。これは定義を付けることが難しいと思うんですけど、広義には原子を扱う魔法であると言えるのではないでしょうかね?ただし、これには水を扱う事を禁止しなければならない。そうしないと水属性が土属性の下位互換になりますから。そう考えていくと、研磨剤入りのウォータージェットは、実は水属性と土属性の複合魔法になります。なので、水属性しか使えないのであれば、不可能なんですよ。

 

じゃあ水だけで鉄は切れないのか。切れます。運動エネルギーを高めれば、水だけでも鉄を削り取る事は可能です。音速なんて生ぬるい事では切れません。マッハ1では無理です。もっと高速でなければならない。さて、魔法でそれをなすわけですが、音速ですら生ぬるい速度を出すには、一体どの位の魔力が必要になるんでしょうかね?それをなすためには、どうすればいいんでしょうかね?

 

よく、魔法は想像力だと言いますが、さて、音速を超える速度をどのように想像するのか。目で見えませんよね?まあよくあるのが銃弾だと思う訳ですけど、ライフルを使ってもマッハ5くらいが限界ラインでしょうね。で?マッハ5ってどのくらいの速度ですか?目で見えない以上、想像でどうやって補完するのか。それ相応に魔力を使うと思いませんか?想像力がもの凄い人でもない限り、目で追えない速度を想像することって非常に難しいんですよね。

 

さあ、ここからが本番です。水属性魔法の水をH2Oと定義しましたよね。想像力があるのであれば、水の再定義も可能だと思いませんか?運動エネルギーを手っ取り早く得るには速度の方が重要なのは解り切っている。だが、速度の想像力とは、限界があると思う訳ですよ。限界があるのであれば、質量を変えてしまえばいい。魔法は想像力だというのであれば、水の定義から崩せばいい。

 

重いものと言えば?私の場合は白金だと思う訳ですけど、確か白金で水の20倍くらいだったと思うんですよね。水の重さを20倍にすれば?運動エネルギーは20倍になる。非常にシンプル。単純に威力が上がる。混ぜ物をするという複合魔法にしたくないのであれば、水という物質の定義を変えてしまえばいい。魔法とはそういうものじゃないですか?ウォータージェットで研磨剤を入れるなんて当然のことを言われてもちょっとって感じがするじゃないですか。

 

別に白金でなければならないなんてことはない。よくある事ですけど、オリハルコンとかいう架空金属があるんですよ。それの比重は?決まってないですよね。じゃあ決めても良いですよね。水の150倍にしておきましょうか。そうするとほら、重いものの想像ができますよね?速度よりも重さの方が想像力は必要ないんです。目で見えるからな。水を150倍の重さの再定義をすることだって可能なんですよ。

 

水属性魔法でウォータージェット。速度は限界がある。凡人では想像力でどうしようもなく速いものを想像できない。であれば質量を変えてしまうと言うのが簡単なんですよ。なんで水は比重1じゃないといけないのか。150でも良いじゃない。質量は運動エネルギーに比例します。一次関数です。速さは二次関数です。だから速さを変えがちなんですが、質量を変えても良いじゃないの。

 

今回はこんな所で。ぶっちゃけていっていいですか?ウォータージェットって弱いと思うんですよね。ここまで言っておいてなんなんですけど、水属性魔法としては弱いと思うんですよ。そりゃあ魔法ですから?遠距離で使っても威力の減衰がないとかそういうのも出来ると思うんですよ?それでもなお弱い。それなら土属性の魔法で質量お化けの物質を最大速度で飛ばす方が強いんだよな。

 

個人的には土属性魔法が最強だと思っているんですよね。速度が同じなら質量が大きい方が強いに決まっているじゃないですか。でも、水属性魔法でって縛りで行くのであれば、最強は気化魔法でしょうね。液体の水を気化させるだけの魔法です。これの方が強いでしょうよ。膨張率は大体1700倍くらいだったと思うんですよね。魔物にも血液はあるでしょう?それを気化させてやれば良いじゃないですか。

 

ここまで読んでくれてありがとうございます。結論としては、研磨剤を入れるくらいなら、水の質量を疑え。速度の想像力は限界があるんだ。だったら質量を疑おう。誰が水の質量が一定だと決めつけたのか。白金くらい重くても良いじゃない。オリハルコンみたいに架空金属並みに重くしたって良いじゃない。そっちの方が簡単じゃないか。物理をどうのこうのと言うのであれば、そうしたら?水の比重くらい弄れなくて何が魔法だ。その位の想像力は働かせろよ。次回もよろしくお願いします。

素材は取れないけど、気化爆弾が一番強いと思うんだけどな。